シド・ハレル(Cyd Harrell)
サンフランシスコ市のチーフ・デジタルサービス・オフィサー。米国を代表するシビックテックNPO団体「Code for America」、米国政府内のデザインコンサルタント組織「18F」で活躍したUXリサーチャー/プロダクトマネージャー。
https://cydharrell.com/
シビックテックをはじめよう
米国の現場から学ぶ、 エンジニア/デザイナーが行政組織と協働するための実践ガイド
Description
「シビックテック」とは、市⺠が主体的に行政組織と連携し、テクノロジーを活用して社会課題を解決したり、生活の利便性を向上させるための取り組みのこと。特にデジタル庁の発足以降、こうした⺠間と公的機関との協働に注目が集まっています。
本書は、米国のシビックテクノロジストの第一人者による、エンジニアやデザイナーが公共部門の中で活動するための知見と心構えを提供する一冊であり、行政DXが求められる今まさに必要とされる内容です。
日本語版寄稿:関 治之(Code for Japan 代表理事)、高橋征義(日本Rubyの会 代表理事)
ISBN:978-4-8025-1257-2
定価:本体2,600円+税
仕様:A5判/228ページ
発売日:2022年12月16日
著者:シド・ハレル
訳者:安藤幸央
監修:岩嵜博論
デザイン:岡部正裕(voids)
Profile
Contents
はじめに
第1章 シビックテックとは?
アメリカ合衆国政府:それはとても複雑
テックがここですべきことは何か
漠然とした問題領域への対応
ステークホルダーおよび仲間としての公務員
第2章 特権を考慮に入れる
技術力と信頼性の特権
テクノロジー救世主コンプレックスからの脱却
シビックテックの仕事における代表性と特権
シビックテックをみんなのものに
味方になる
第3章 貢献の仕方
一歩踏み出す:ボランティアでの<ルビ:コラボレーション>協働<ルビ>
GovTechビジネス:スタートアップおよびその他の企業
全てを注ぐ:イノベーションラボとデジタルサービスチーム
人民のための、人民による:市民参画と相互扶助
パートナーシップの構築と活動領域の社会的包摂
第4章 プロジェクトの種別
サービスデリバリープロジェクト
インフラおよびデータプロジェクト
デジタル政府のための専門ツール
救援のために飛び込む
第5章 イノベーションとその反動
イノベーションは、変化のための欠点のあるフレームワーク
官僚制度とスチュワードシップ
リスクと失敗に対する考え方
プロトタイプの役割
デジタルトランスフォーメーションと継続的な改善
第6章 規制された領域で働く
予算、会計年度、調達
規則とツール
どれくらいの時間がかかるのか?
リレーに参加する
第7章 重要なスキル
シビックテックで成功するためにはどのようなスキルが必要なのか?
自分の限界を知る:能力レベル
フレームワークと柔軟性
シビックテックにおける、テクノロジーとは関係ない仕事
これからキャリアを積む人へ
第8章 プロジェクトチームと手法
政府チームと前提条件
オープンソースチームと前提条件
エンジニアリング−デザイン−プロダクトの三位一体
パートナーチームのレベルアップを図る
プロダクトマネジメントを浸透させる
第9章 政策とともに働く
政策は実際にどのように展開されるのか
政策の実施は技術者にとって最大の機会
技術的手法はどのように適用できるか?
技術政策
政策の例外と変更
第10章 長期的な変化を生み出す
オープンデータ
調達の改善
レガシーマイグレーション:時代遅れなシステムを移行する
指標と分析
ユーザー中心設計
機能の内製化
伝統的な事業を発展させる
第11章 働き方を調和させる
働き方の文化:技術系 vs 政府系
あなたが使う専門用語、私が使う専門用語
仕事におけるインクルージョンのテクニック
硬直性と階層性
第12章 私たちに必要な味方
幹部との戦略的提携
社会的つながりを多く持つ、中堅クラスパートナー
法務/コンプライアンス部門の仲間たち
政府外のパートナー
広報と報道
第13章 働くペース、リスク、自己管理
ローテーション、期間、長期間
自分自身のペース配分
物資の負担
財務リスクと財務計画
燃え尽き症候群の見分け方
〈カラース〉を育てよう
おわりに
参考資料
謝辞
訳者あとがき
寄稿「日本におけるシビックテックの取り組みの歴史と展望」関 治之
寄稿「ITエンジニアのための草の根シビックテック入門」高橋征義