三宅 陽一郎
京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。最新の論文は『デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在』(人工知能学会誌 2015年1月、30巻1号)、『ゲーム、人工知能、環世界 考える存在から経験の総体へ、AIのための現象学的転回』(現代思想、2015年12月号)。
人工知能のための哲学塾
Description
「人工知能は、いつ主観的世界を持ち始めるのか?」
本書はこの問いを巡って、人工知能を成り立たせるための哲学・思想的背景(工学やコンピュータサイエンスではなく)について、ゲームAI開発者として数多くの実績のある三宅陽一郎氏が解説する一冊です。
人工知能は「私」というものを持ちうるのか? そうならばそれはいかにしてか? 「世界」とは何か? そして「身体」とは何か? 人間の世界認識/自己認識の軌跡を濃密に辿りながら、人工知能に迫ります。
Facebookで1,500人が参加するコミュニティ「人工知能のための哲学塾」にて開催されてきた連続夜話が待望の書籍化!
ISBN:978-4-8025-1017-2
定価:本体2,400円+税
仕様:A5判/320ページ
発売日:2016年08月11日
著者:三宅陽一郎
編集:大内孝子
デザイン:橘友希/矢代彩/田中麻衣子(Shed)
Profile
Contents
本書の全体像
知をめぐる冒険(犬飼 博士)
まえがき
第一夜 フッサールの現象学
1 人工知能のための哲学
2 キャラクターの人工知能の最新モデル
3 フッサールの現象学入門
4 デカルトの哲学入門
5 フッサールの現象学
6 現象学の人工知能への応用
第二夜 ユクスキュルと環世界
1 知能と身体の関係
2 ユクスキュルの生物学
3 ギブソンの生態学的心理学
4 人工知能における主体と客体
5 ベルンシュタインの運動学
6 ベルクソンの哲学
第三夜 デカルトと機械論
1 まえおき―数学、物理学、認識―
2 分析哲学の系譜
3 分析哲学から人工知能へ
第四夜 デリダ・差延・感覚
1 まえおき―デリダと人工知能―
2 構造主義
3 構造主義/ポスト構造主義と人工知能
4 意識と無意識と人工知能
第五夜 メルロ=ポンティと知覚論
1 身体と知能
2 人工知能に身体感覚を与える
3 人工知能に運動感覚を与える
4 人工知能に主観的環境を与える
あとがき(大山 匠)
付録 関連年表
付録 第五夜グループディスカッション
著者紹介
Errata
初版第1刷 | |
p.156 | 誤:この人だけわかるというものでした。 正:この人だけがわかるというものでした。 |
p.167 | 誤:世界に記号の体系をどのように対応すればよいか、 正:世界に記号の体系をどのように対応づければよいか、 |
p.171 | 誤:次に、では、どうやって人工知能につながっていくというところを 正:次に、では、どうやって人工知能につながっていくかというところを |
p.182 | 誤:原初的な部分からロジカルな思考を、 正:原初的な部分からロジカルな思考へ、 |
p.190 | 誤:「生態学的人工知能」 正:「生態学的ゲームAI論」 |
p.195 | 誤:それは物体の種類や形状によらず重さだけに比例することを見出しました。 正:それは物体の種類や形状によらず重さに比例しないことを見出しました。 |
p.205 | 誤:代数的にはまったく同じものです(図3)。 正:代数的にはまったく同じものです(図4)。 |
p.205 | 誤:図3の場合は、 正:図4の場合は、 |
p.266 | 誤:どのように知能と身体は結びつているのか? 正:どのように知能と身体は結びついているのか? |
p.273 | 誤:『脳・身体・ロボット』 正:『脳・身体性・ロボット』 |
p.275 | 誤:『脳・身体・ロボット』 正:『脳・身体性・ロボット』 |