ISOTYPE[アイソタイプ]
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¥3,520 (税込み)

Description

事象と意味をつなぐ視覚化(=絵文字化)のシステム、ISOTYPE[アイソタイプ]。開発者であるオットー・ノイラートの多面的な活動とともに、あらゆる分野におけるビジュアル・コミュニケーションの発展に影響を与え、インフォグラフィックスのはしりとしてデザイン史に名を残すも、その志を著した出版物がこれまで邦訳されることはなかった。大戦の狭間、移民やナショナリズムを背景とし、国際化社会に向けた絵による教育・掲示の体系化と普及に勤しんだノイラート。彼が夢見た、国家を超える〈普遍的〉世界において、“個人のために”科学が、デザインが、果たすべき役割とは何であったのか。80年の時を経て、今なお問われているグローバリズムの課題、取り組まれているユニバーサルなコミュニケーションツールに通じる、その基礎的で壮大な取り組みに光を当てる。

※本書は、本邦初となる完訳『International Picture Language』(1936)、『Basic by Isotype』(1937)に『Modern Man in the Making』(1939)の全図を収録した、日本オリジナルの合本版です。

本書の構成

『International Picture Language』(国際図説言語)
言語心理学者でベーシック英語の発明者であるC. K. オグデンが編集する叢書、「Psyche Miniatures(心のミニチュア)」シリーズのNo. 83。152×100ミリ、本書よりひとまわり小さいハードカバーの小型本。1936年発行。アイソタイプの概説書で、ルールについての解説がマニフェスト的に展開されている。原書はベーシック英語で書かれており、文脈によって単語の意味を解釈していかなければならない。たとえば「picture」は、絵、図、図版、図表などに訳し分けている。通常「シンボル」と呼ばれているアイソタイプのピクトグラムには「sign」の語があてられており、「図記号」とした。頻繁に出てくる「教育」「教師」は学校教育やその教員だけに留まらず、広く学びの場をイメージして読んでいただきたい。原書も本書同様、赤と黒の2色印刷である。

『Basic by Isotype』(アイソタイプによるベーシック英語)
『International Picture Language』と同様の叢書シリーズのNo. 85。同じ造本、装丁である。1937年発行。前書と同時発売を予定していたのが何らかの理由で遅れて発行されたと思われる。内容はベーシック英語の絵による辞書だが、まったく英語が理解できない自分を想像してページを眺めてほしい。アイソタイプがメタ言語であることがよくわかるだろう。ある言語について語るためのメタ言語の必要性は、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』からウィーン学団が導き出したことのひとつである。“語る/示す”の区別を“言葉/自分/世界”の関係と読み取ったノイラート哲学の一端を垣間みることができる。『International〜』では、これを「補助言語」という表現で説明している。単純に絵として楽しめることもこの本の魅力だろう。

『Modern Man in the Making』(近代人の形成)
1939年、ニューヨークのAlfred・A・Knopf社が米・英で英語版を発行。翌年にオランダ語版が、のちにスウェーデン語版と日本語の縮刷版が出版された。「modern man(近代人)」という言葉には、単に「近代の人」というだけではない、時代を表す以上の意味がある。ノイラートは歴史と現状を事実として引いて、同時代者である「modern man」の存在を明らかにしようと試みた。本作は、ノイラート、マリー・ランデマイスター、ゲルト・アルンツの3人が協働で制作した最後の仕事である。のちにマリーは、「私たちがつくったもののなかで、最も優れたアイソタイプの物語であったと思う」と回想している。判型は265×210ミリ、本書よりひとまわり以上大きい。そのため図が小さくならないよう配慮した。原書の特色7版印刷をカラー分解して、CMYに特色をあてた4色で印刷。全図を収録し、図版集とした。

ISBN:978-4-8025-1065-3
定価:本体3,200円+税
仕様:四六判/上製本/320ページ
発売日:2017年06月23日
著者:オットー・ノイラート
監訳:永原康史
翻訳:牧尾晴喜
装幀:市東 基

Profile

オットー・ノイラート(Otto Neurath, 1882-1945)
ウィーンの社会経済学者、哲学者。論理実証主義(ウィーン学団)を先導し、物理主義を提唱した。学問が細分化した20世紀には珍しいルネサンス型の万能人と評されるほど、その活動は多岐にわたる。第一次大戦中、独ライプツィヒの戦争経済博物館館長に着任。視覚教育活動への取り組みを始める。戦争終結後、社会主義運動に身を投じるが、ウィーンに戻って絵による統計図表を主展示とするウィーン社会経済博物館を設立。視覚言語システムの開発に努めた。オーストリアの内戦とナチスの侵攻によって亡命を余儀なくされるも、専門家チームを率いて国際視覚言語教育システム「アイソタイプ」の確立に尽力。晩年、亡命の地、英オックスフォードにアイソタイプ研究所を設立し、教育、科学のみならず、あらゆる分野の視覚情報表現の発展に影響を与えた。

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