監訳者のことば:渡邊淳司/ドミニク・チェン
第 0 章 ポジティブ・コンピューティング入門
- テクノロジーの進歩はウェルビーイングの指標にはならない
-「人間=機械」の遺産
- 測定すべき大事なもの
- ウォークスルー
[ 1 部 ]
第 1 章 ウェルビーイングの心理学
- 医学的モデル:機能障害がないという意味のウェルビーイング
- 快楽心理学:ポジティブ感情の体験としてのウェルビーイング
- エウダイモニア(持続的幸福)的心理学:意義の発見と潜在能力の発揮としてのウェルビーイング
- 快楽的アプローチとエウダイモニア的アプローチを組み合わせる
- 生物学と神経科学:生理学的に確認可能なウェルビーイング
- ウェルビーイングを意識したデザイン:仮説的なケーススタディ
寄稿1:ジョナサン・ニコラス(インスパイア財団)
寄稿2:フェリシア・ハパート(ケンブリッジ大学)
第 2 章 ポジティブ・コンピューティングの学際的な基盤
- 経済学:いまだお金では買えないウェルビーイング
- 政府と政策:国民総幸福量と社会全体のウェルビーイングの向上
- 教育:ウェルビーイングは教育可能で学習にもよい効果をもたらす
- 社会科学:テクノロジーに形づくられる、変容的な文化的概念としてのウェルビーイング
- ビジネスと企業の心理学:職場におけるウェルビーイング
- デザインと建築:ウェルビーイングを改善する場所ともの
寄稿1:ジェーン・バーンズ(ヤング・アンド・ウェル共同研究センター)
寄稿2:ダナ・ボイド(ハーバード大学/マイクロソフト)
第 3 章 テクノロジー研究におけるウェルビーイング
- ユビキタス・コンピューティング:ウェルビーイングにとってのチャンスと課題
- パーソナル・インフォマティクス:古くからの探求に役立つ新しいツール
- アフェクティブ・コンピューティング:テクノロジーと感情
- 行動変容のテクノロジー
- バリュー・センシティブ・デザイン(VSD ):価値の役割を認識する
寄稿:イヴォンヌ・ロジャーズ(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)
第 4 章 ポジティブ・コンピューティングの枠組みと手法
- なぜフレームワークか
- 条件と要因を特定する
- ポジティブ・コンピューティングへの入り口
- フレームワーク
- ウェルビーイングの決定因子
- その他の留意事項
- ポジティブ・コンピューティングの設計から実践へ
- ポジティブ・コンピューティング実践のガイドライン
- 手法および尺度
- 促進的介入と予防的介入
- イルビーイングを測定する
- ウェルビーイングと幸福を測定する
- ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の手法
- 最善を求めてあらゆる学問の手法を組み合わせる
[ 2 部 ]
第 5 章 ポジティブ感情
- ポジティブ感情はいつウェルビーイングを高めるのか
- 現実 v.s. 記憶
- ポジティブ感情は同じようにはつくられない
- ポジティブ感情を育む方法
- デザインのためのヒント
寄稿1:ドナルド・ノーマン(ニールセン・ノーマン・グループ)
寄稿2:ジェーン・マクゴニガル(未来研究所)
第 6 章 動機づけ、没頭、フロー
- 動機づけ
- 人間であるが故の動機づけ
- ポジティブな変化を促す:選択肢設計者としてのデザイナー
- 没頭とフロー
- フロー:没頭における至高の状態
- 没頭の検出と測定
- デザインのためのヒント
第 7 章 自己への気づきと自己への慈しみ
- 汝自身を知れ
- 内省の対象
- 認知に対する気づきとメタ認知
- 感情に対する気づきと情動知能
- 経験に対する気づきと内省
- メンタルヘルス治療法としての内省
- 内省 v.s. 直接的指示
- ウェルネスとウェルビーイングのための内省:自己の定量化
- 私たちの内省を見つめなおす
- 自己への気づき v.s. 自己愛
- 自己の尊重 v.s. 自己への慈しみ
- デザインのためのヒント
寄稿:デヴィット・R・カルーソ(イェール大学、EIスキルグループ)
第 8 章 マインドフルネス
- マインドフルネス心理学
- マインドフルネスの神経科学
- マインドフルネスを測定する
- マインドフルネスを育むための方法と治療介入
- マインドフルネスのためのデジタルテクノロジー
- デザインのためのヒント
寄稿:アデル・クルーシェ、J・マーク・G・ウィリアムズ
(オックスフォード大学、オックスフォード・マインドフルネス・センター)
第 9 章 共感
- 共感を理解する
- 共感を育む
- 共感を計測する
- 共感性を伸ばすための方法や介入
- 共感を育むためのテクノロジー
- デザインのためのヒント
第 10 章 思いやりと利他行動
- 思いやりと利他性の研究
- 利他行動:なぜわざわざそうした行動をとるのか
- 思いやり、利他性を育むための介入と方法
- 思いやりを育むテクノロジー
- デザインのためのヒント
寄稿1:ジェレミー・ベイレンソン(スタンフォード大学)
寄稿2:メアリー・ヘレン・イモアディーノ・ヤン
(ロッシェ教育スクール、脳と創造性の研究所、南カリフォルニア大学)
第 11 章 警告、考慮すべきこと、そしてその先にあるもの
- 人間、この複雑で矛盾した生き物
- プライバシーとセキュリティ
- 人間に取って代わる:暮らしとウェルビーイング
- コントロールするのは誰か? 自律性、有能感、そしてエンパワーメント
- コントロールするのは誰か? 動機、権力、そしてパターナリズム
- 「ウェルウォッシング(Well-Washing )」:研究と流行の対立
- ウェルビーイングと文化
- バランスと中庸:過ぎたるは及ばざるが如し
- ウェルビーイングの生態系:全体論的視野を取り入れる
- その先にあるもの
- ポジティブ・コンピューティングの資金調達
- ウェルビーイングの恩恵
- ポジティブ・コンピューティング・プロジェクト
監訳者対談:日本的なウェルビーイングへ向けて
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本書のキーワード:ポジティブ・コンピューティング(Positive Computing)、ウェルビーイング(Wellbeing)、フローリシング(Flourishing, Flourish)、レジリエンス / 心理的抵抗力・回復力(Resilience)、没頭(Engagement)、フロー(Flow)、動機づけ(Motivation)、マインドフルネス(Mindfulness)