川崎和也(かわさき・かずや)
デザインリサーチャー/スペキュラティヴ・ファッションデザイナー。1991年生まれ。バイオテクノロジー、ウェアラブルテクノロジー、コンピュテーショナルデザインに依拠しつつ、ファッションが持つ未来志向・思索的な創造性を探求する実践をおこなう一方で、デザイン学としてのファッション研究を学術的に確立することを模索している。H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、STARTS PRIZE 2017ノミネート、Wired Creative Hack Award 2017/2018 特別賞、 YouFab Global Creative Award 2017 入賞のほか、オランダのダッチデザインウィークと南アフリカのデザインインダバより、2017年国際デザイン作品トップ20に選出。アルスエレクトロニカ東京イニシアチブより、テック・スキン・イノベータに選出。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)、現在同後期博士課程。
SPECULATIONS
人間中心主義のデザインをこえて
Description
合計99のデザインリサーチの実践例が描き出す、拡張する「デザイン」の現在形と未来!
社会も、テクノロジーも、デザインを取り巻く利害関係も、ますます複雑化し混迷を極める世界において、今デザインはどこにあり、またデザインに何が求められているのでしょうか。本書で紹介するのは、そんな世界にあっても倫理を手放すことなく実践し、デザインと社会、そして実践と理論の接地面に光を射してくれる、合計99の「デザインリサーチ」です。本書では、今着目すべきデザインの問題系を明らかにするために、合計3パート/9つの章を設け、それぞれのテーマごとに11の事例と多様な編著者による導入テキストを収録しています。
パート1:アフター・グローバリズム
ダイバーシティ/パブリック/モビリティ
パート2:ネクスト・ネットワーク
アーカイブ/プロトコル/フィクション
パート3:ポスト・アントロポセン
アルゴリズム/サステナビリティ/インヒューマン
さらに、民主主義、移動社会、コンピュテーショナルデザイン、サステナビリティ、バイオテクノロジーをめぐる論考と、キーパーソンたる海外のデザインシンカーへのインタビューも収録!
幾多の思索(スペキュレーション)とテキストから、過去、現在、そしてありうべき未来のデザインへの多角的な視座を獲得できる、新しいデザイン書です。
★本書の冒頭に収録した川崎和也さんの論考「人間中心主義のデザインをこえて:多次元(マルチバース)化するデザインリサーチ」は、こちらよりダウンロードしてお読みいただけます。
◉掲載事例
【ダイバーシティ】Good Job! プロジェクト/シブヤフォント/デジリハ/Drake Music/こころの応急処置マニュアル/Designs for Flies/Young-Old/EyeWritter/WHILL Model CR/OTON GLASS/Makers Making Change【パブリック】殿橋テラス/DESIGNEAST/あそべるとよたプロジェクト/Let’s play together!/RAM House/Eichbaumoper/モクチンレシピ/さがデザイン/co-lab/斑鳩の記憶アーカイブ化事業/The Cargo Chain【モビリティ】Fairbnb.coop/ADDress/Mobile Cell / House-Core/Spaces on Wheels/Nomad List/Street Debater/Sensible Signage/Starling Crossing/Who Wants to be a Self-Driving Car?/PRIVACY LABEL/Making Sense【アーカイブ】A Museum of Collective Memory/福島アトラス/はな子のいる風景/All Possible Futures: Unrealized Archive 2/Speculative Design Archive/AAAARG/The Public School/The Serving Library/Library of the Printed Web/STOCK 気づきを、備える/具体的な建築/観察の練習【プロトコル】Policy Lab/Fab City Global Initiative/リーガルデザイン・ラボ/日本的ウェルビーイングを促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及」プロジェクト/soar/当事者研究ネットワーク/おやつおてらクラブ/NukaBot/Scary Beauty/AI DJ Project/OpenAI【フィクション】The 3D Additivist Cookbook/ギートステイト/TBD Catalog/自撮りする幽歩者/Disaster Playground/Unknown Fields/Intimate Strangers/Reconstrained Design: A Manifesto/全滅する気がないなら、交雑せよ/A Year Without a Winter/「海市」展【アルゴリズム】The New Normal/Recycled Toy Furniture/EMARF/Nervous System/Algorithmic Couture/Killing In Umm Al-hiran/VFRAME: Visual Forensics and Metadata Extraction/index architecture / 建築知/坂道・公共交通を考慮した上野の時間地図/Block'hood/H.O.R.T.U.S. XL【サステナビリティ】Spiber/The Growing Lab/Mycelia/Algae Platform/Hair Highway/Ore Streams/OTOProjects/Fibre Market/The Toaster Project/Fabricademy/HONF Foundation/A Guide to the Flora and Fauna of the World【インヒューマン】Victimless Leather/Biopresence/Pure Human/The Tiger Penis Project/Graham/The Modular Body/Housewives Making Drugs/The ODIN/SYNTHETIC POLLENIZER/Mitigation of Shock/Resurrecting the Sublime
中面紹介
SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて from BNN on Vimeo.
本書特設サイト
本書に関するイベント情報などを掲載予定です。ぜひチェックしてみてください。
https://speculations.studio.design/
関連記事
新刊紹介 『SPECULATIONS:人間中心主義のデザインをこえて』
『SPECULATIONS』 刊行によせて (川崎和也)
ISBN:978-4-8025-1139-1
定価:本体3,200円+税
仕様:B5判変型/312ページ
発売日:2019年07月25日
監修・編著:川崎和也
編著:ライラ・カセム、島影圭佑、榊原充大、木原共、古賀稔章、ドミニク・チェン、太田知也、砂山太一、津田和俊、高橋洋介
寄稿:ヤンキー・リー 、 大橋香奈
翻訳:藤吉賢
執筆・編集協力:白米航
翻訳協力:垣貫城二
デザイン:村尾雄太
Profile
Contents
「人間中心主義のデザインをこえて—多次元(マルチバース)化するデザインリサーチ」川崎和也
本書についての説明
◉Part 1:アフター・グローバリズム
1-1.ダイバーシティ:共創を通したインクルーシブなデザイン(ライラ・カセム+島影圭佑)
1-2.パブリック:状況のなかにロジックを見つけ、仕組みをつくる(榊原充大)
1-3.モビリティ:国境を越える「意地悪な問題」に対峙するデザイン(木原共)
INTERVIEW:ジュリア・カセム
寄稿01:ヤンキー・リー「民主主義のデザイン:未来のわたしたちのために老いのイノベーションを共創する」
寄稿02:大橋香奈「移動前提社会における「家族」を考える:移動する「家族」』の映像エスノグラフィー実践」
◉Part 2:ネクスト・ネットワーク
2-1.アーカイブ:人と物と世界を往還する(古賀稔章)
2-2.プロトコル:コミュニケーション経路をデザインする(ドミニクチェン+川崎和也)
2-3.フィクション:現実と虚構のインターフェイスをデザインする(川崎和也+太田知也)
INTERVIEW:ブルース・スターリング、ジェームズ・オーガー
寄稿03:砂山太一「15 years:コンピュテーショナルデザイン小史1993–2008」
◉Part 3:ポスト・アントロポセン
3-1.アルゴリズム:アルゴリズムが統治する時代における機械中心主義のデザイン(川崎和也+砂山太一)
3-2.サステナビリティ:地球の有限性と共にデザインする(川崎和也+津田和俊)
3-3.インヒューマン:ポスト・アントロポセンにおける非人間たち〈インヒューマンズ:動物、地球、機械〉との共創(川崎和也+高橋洋介)
寄稿04:津田和俊「デザインリサーチにおけるサステナビリティ:グローバルからパーソナル、リサイクルからバイオテクノロジー」
寄稿05:高橋洋介「バイオデザイン:人新世における工学的救済」
INTERVIEW:パオラ・アントネッリ
画像クレジット
編著者一覧
Errata
初版第1刷 | |
p.3 目次 11行目 | 誤:1-1 Diversity ダイバーシティ 017(黒字) 正:1-1 Diversity ダイバーシティ 018(黒字) |
p.9 下から2行目 | 誤:下に記した3つの時代区分 正:次に記した3つの時代区分 |
p.11 7行目 | 誤:「ユーザー中心主義デザイン(以下USD)」でした、USDの目的は 正:「ユーザー中心設計(以下UCD)」でした、UCDの目的は |
p.11 下から14行目 | 誤:USD 正:UCD |
p.10 下から10行目 | 誤:これはいわば、人間の身体を普遍化を目指し 正:これはいわば、人間の身体の普遍化を目指し |
p.13 上から18行目 | 誤:設計し、体系化しています。 正:設計し、体系化しています(注釈18)。 |
p.13 上から20行目 | 誤:あらゆるもの素材やデータを 正:あらゆるものの素材やデータを |
p.13 上から23行目 | 誤:挑戦的な試みです(注釈18)。 正:挑戦的な試みです。 |
p.13 上から24行目 | 誤:ベンジャミンブラットが提唱する「積層」(注釈18)は、 正:ベンジャミン・ブラットンが提唱する「積層」(注釈19)は、 |
p.13 左下の注釈18 | 誤:18. 正:19. |
p.14 下から8行目 | 誤:ここまで、「移行」「積層」「思索」—— 正:ここまで、「移行」「積層」「思索」という |
p.15 1行目 | 誤:上に示した軸を参考にしつつ、 正:先に示した軸を参考にしつつ、 |
p.15 下から11行目 | 誤:本書を眺めることができる。 正:本書を眺めることができるのです。 |
p.101 下から15行目 | 誤:「デザインの中心、デザイナーが考案するシステムから、 正:「デザインの中心を、デザイナーが考案するシステムから、」 |
p.104 下から8行目 | 誤:「尊厳ある死(Fine Dying)」 正:「健やかな死(Fine Dying)」 |
p.105 1行目の見出し | 誤:第5のi:実装(IMPLEMENTATION) 正:第5のi:IMPLEMENTATION(実装) |
p.119 右下の回答者 | 誤:Local Project 正:Local Projects |
p.169 左、下から7行目 | 誤:を読んでみよう 正:を読んでみよう。 |
p.169 右、4行目 | 誤:注釈8 正:注釈9 |
p.169 右(本文)、下から6行目 | 誤:注釈11 正:注釈10 |
p.200 訳註7内 | 誤:(画像は2009年刊行のハヤカワepi文庫版) 正:トル |
p.201 訳註8内 | 誤:(画像は2017年刊行のハヤカワepi文庫版) 正:トル |
p.304 訳註7内 | 誤:ジェノタイプ 正:ジェノハイプ |
p.p312 奥付右、下から17行目 | 誤:Translation Support (pp. 190–202):) 正:Translation Support (pp. 197–202): |