キャスリン・マッケルロイ(Kathryn McElroy)
テキサス州オースティンのIBM Mobile Innovation Labのデザイナー〔現在はargo designのクリエイティブディレクター〕。デザイナーやフォトグラファーとして受賞歴を持ち、近い未来のテクノロジー、人工知能、スマートオブジェクト、オープンハードウェア/ソフトウェアに情熱を傾けている。『Make: Magazine』誌、『Fast Company』誌、『Timeout New York』誌で自分のプロジェクトに関するチュートリアルや記事を発表し、『Make: The Best of, Volume 2〔最高のものを作る、第2巻)』、『Making Simple Robots〔シンプルなロボット製作)』など複数の書籍を出版。デザイン思考、プロトタイピング、ユーザーエクスペリエンス・デザインをテーマに定期的に講演をおこない、電子装置の製作を始めるのがいかに簡単かを人々に熱心に指導している。
デザイナーのためのプロトタイピング入門
Description
デジタルプロダクト/ハードウェア/IoTプロダクト/UI・UX設計に欠かせない必須プロセスの基礎知識!
ユーザーに影響を与えるような、価値のある製品を作るためのベストな方法として、プロトタイピング(試作モデルの作成)とそれを用いたユーザーテスト(実際のユーザーから貴重な知見を集める方法)があります。けれど、デザイナーの多くはこの重要なステップを省略し、まだまだ自身の直感や慣習に頼っているのが現状ではないでしょうか。
本書では、初級〜中級のデザイナーへ向けて、完璧さよりスピード重視の低忠実度のプロトタイプから、ほんものそっくりの高忠実度のプロトタイプまで、さまざまなレベルでのプロトタイピングの狙いと手法を説明します。そしてプロトタイプを実践する企業の事例、ベストプラクティス、試行錯誤のプロセスを紹介しながら、基本的な知識を与えていきます。本書を読み終える頃には、デジタルプロダクトやIoTプロダクト、ハードウェアなど自分がデザインしている製品をもっとよくするためにはどんなプロトタイプやユーザーテストが必要かがわかり、アイデアをとことん突き詰めていく力が身についているでしょう。
“プロトタイピングはデザイナーが学び、業務に取り入れるべき最も重要なスキルの1つだ。プロトタイピングを実行可能で教えやすい枠組みに落とし込むことにかけては、キャスリン・マッケルロイの右に出る者はない。この本はすべてのデザイナー必携の1冊だ”
アビー・コバート(SVA プロダクツ・オブ・デザイン・プログラム教員)
“プロダクトの仮説検証で、プロトタイプが果たす役割は大きい。プロトタイプを通じて、我々はユーザーとの、そしてチームとの間で、新たな理解を発見する。一方で、プロトタイピングにはこれまでまとまった手引きがなかった。本書は強力に支援してくれるだろう”
市谷聡啓(『カイゼン・ジャーニー』『正しいものを正しくつくる』著者)
“過去の延長線上にないプロダクトをつくるために必須の技法「プロトタイピング」。その重要性を知りつつも、実際にどうすればいいか悩んでいませんか? 本書から様々な場面における実例を深く学ぶことは、きっと最初の一歩につながるでしょう”
小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
“プロトタイプツールを使って手軽に作れるようになったけど、なぜか業務が楽になっていない方。そもそもどういうプロトタイプを作ると効率的なのか知りたい方に最適な書籍。プロトタイプは相手にアイデアを伝えるための手段です”
長谷川恭久(デザイナー)
ISBN:978-4-8025-1150-6
定価:本体3,000円+税
仕様:A5判/320ページ
発売日:2019年07月23日
Profile
Contents
序文(アラン・チョチノフ)
はじめに
第1章:プロトタイプとは何か?
あらゆるものがプロトタイプ
マインドセットとしてのプロトタイピング
プロトタイプの例
製品のプロトタイピング
まとめ
第2章:何のためにプロトタイプを作るか
理解
コミュニケーション
テスト・改良
重要性の主張
まとめ
第3章:プロトタイプの忠実度
低忠実度
中忠実度
高忠実度
忠実度の5つの要素
まとめ
第4章:プロトタイピングのプロセス
実用最小限のプロトタイプ
探索中心
オーディエンス中心
仮説中心
実際のプロセス ーー Etsyの事例
まとめ
第5章:デジタルプロダクトのプロトタイピング
デジタルプロダクトデザインの第一歩
デジタルプロダクト特有の性質
準備
低忠実度のデジタルプロトタイプ
中忠実度のデジタルプロトタイプ
高忠実度のデジタルプロトタイプ
成功例 ーー IBM MIL
まとめ
第6章:フィジカルプロダクトのプロトタイピング
電子機器に取りかかる
フィジカルプロダクト特有の性質
準備
低忠実度のフィジカルプロトタイプ
中忠実度のフィジカルプロトタイプ
高忠実度のフィジカルプロトタイプ
トラブルシューティング
成功例 ーー リチャード・クラークソン
まとめ
第7章:プロトタイプのユーザーテスト
リサーチ計画の策定
リサーチの実行
リサーチ結果のまとめ
まとめ
第8章:すべてを1つに ーー SXSWテイスティングエクスペリエンス
リサーチ
ユーザーフロー
フィジカル要素
デジタル要素
1つにする
完成したエクスペリエンス
まとめ
第9章:私たちが学んだこと
付録A:リソースとリンク
付録B:用語集