創るためのAI - 機械と創造性のはてしない物語
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創るためのAI
機械と創造性のはてしない物語

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¥2,860 (税込み)

Description

【第30回(2021年度)大川出版賞受賞!】

Artificial Intelligence(AI)=人工知能を用いたアートや音楽など創作に関する取り組みを題材に、人間の創造性とAIの関係、その未来像について考察した一冊。

社会における注目度が急速に増し、日常の何気ない会話の中にも登場するほど、私たちの生活に浸透しつつあるAI。一方で、AIの実像について理解できている人はそう多くありません。「近いうちにAIが人間の能力を凌駕する」、「AIが仕事を奪う」といった話がマスメディアでまことしやかに囁かれ、「AI時代」を生き抜くために必要な能力を議論する書籍をよく目にするようになりました。機械的な計算を超人的なスピードと正確性でこなすAIに対して、「人間のアドバンテージは機械にはない創造性にある」、「AI時代を生き抜くためには創造性を養う必要がある」、そんな議論もよく耳にします。

本書はこうした話とは、趣旨が大きく異なります。創造性を持つ人間と、持たないAIという二項対立で捉えるのではなく、まずは「機械は創造性を持ち得ない」という先入観を疑ってみることとします。その上で、「AIも人とは違う創造性を持ち得るのではないか」という仮説に基づいて議論を進めます。

AIとは何か。ただの道具か。AIによって人の能力、特に創造性をどのように拡張できるのか。そもそも、創造性とは何か──。機械による模倣が人の創造性を拡張してきた歴史を紐解きながら、世界中で行われている現在進行形の取り組みに注目し、より豊かなAIと創造性の未来を照らし出します。

創造性という極めて人間的な心の働きを、新しい人工物の上で模倣することで、私たち人間の創造性について、新しい視座を得ようとする試みともいえます。AIというレンズを通すことで、創造するという行為が全く新しい姿を見せてくれることに驚くはずです。

第30回(2021年度)大川出版賞受賞図書
本書は、情報・通信分野に関する優れた図書について、これを表彰する大川出版賞(第30回 2021年度)を受賞致しました。

本書特別サイト
https://qosmo.jp/publication/creatingwithai/
各章の概要案内、推薦コメントなどを読むことができます。また、メールアドレス等をご入力いただくと、本書第1章のPDFをダウンロードすることができます。

ISBN:978-4-8025-1200-8
定価:本体2,600円+税
仕様:A5判/352ページ
発売日:2021年01月20日
著者:徳井直生
デザイン:畑ユリエ

Profile

徳井直生
アーティスト/研究者

Computational Creativity and Beyondをモットーに、AIと人の共生による創造性の拡張を模索。AIを用いたインスタレーション作品群や楽曲で知られる。アーティスト、デザイナー、AI研究者/エンジニアなどから構成されるコレクティブ、Qosmo(コズモ)を率いて作品制作や技術開発に取り組むほか、慶應義塾大学SFCでComputational Creativity Labを主宰する。これまでに手がけた作品は、MoMA(ニューヨーク)、バービカン・センター(ロンドン)、NTT InterCommunication Center、アルスエレクトロニカなどで展示されている。

株式会社Qosmo 代表取締役/慶應義塾大学政策・メディア研究科 准教授/Dentsu Craft Tokyo, Head of Technology
東京大学工学系研究科電子工学専攻博士課程修了 博士(工学)

Contents

はじめに

第1章|AIはアーティストになれるか
    1.1|AIとは何か?──つくることは理解すること
    1.2|AI「が」描く絵
    1.3|AIはアーティストになれない
    1.4|AIは単なる道具ではない

第2章|バベルの図書館──AIを通して考える創造性の本質
    2.1|創作とバベルの図書館
    2.2|コンピュータから見た創造性の定義
    2.3|AIによるテキスト生成──バロウズ、ボウイとGPT-3
    2.4|AIと音楽──楽譜、演奏、サウンドの生成
    2.5|「機械は何も生み出さない」は本当か? ──19世紀のAI
    2.6|進化と創造性──遺伝子のバベルの図書館
    2.7|AI自体が創造性を手にするために

第3章|AIとモノマネ芸人──模倣する機械の歴史
    3.1|AI美空ひばりとモノマネ芸人
    3.2|エジソンのチューリング・テスト
    3.3|写真と印象派─ 模倣から生まれる新しい表現
    3.4|模倣の失敗が世界の音楽を変えた
    3.5|最初期のAIアート──自らを模倣する機械をつくった画家

第4章|AI美学──AIが表現に与える影響
    4.1|クジャクの尾──AIによる最適化の落とし穴
    4.2|シナトラが歌うJ-POP──オーサーシップの消滅
    4.3|制作と消費のあいだで──「作品」が消える世界

第5章|AIと創造的に付き合うためのヒント
    5.1|一見関係ないものをつなぐ
    5.2|違和感を演出する
    5.3|異質さを抱きしめる
    5.4|誤用によって価値を転換する
    5.5|AIと創造的に付き合うためのヒント

終章|AIと創造性の未来
            AIとのサーフィン

あとがき

Errata

初版第1刷
p.188
3行目
誤:値を生み出してきたという事実を明らかにます。
正:値を生み出してきたという事実を明らかにします。
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