渡邊恵太(わたなべ けいた)
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授。博士(政策・メディア)(慶應義塾大学)。シードルインタラクションデザイン株式会社代表取締役社長。知覚や身体性を活かしたインターフェイスデザインやネットを前提としたインタラクション手法の研究や開発に関心がある。著書に『融けるデザイン ハードxソフトxネットの時代の新たな設計論 』(BNN、2015)。
https://keitawatanabe.jp/
超軽工業へ
インタラクションデザインを超えて
Description
軽工業、重工業、そして21世紀は質量ゼロのものづくり「超軽工業(ちょうけいこうぎょう)」へ──
『融けるデザイン』の渡邊恵太氏が解き明かす、「デジタル前提」時代の設計工法
本書は、UI/UXデザインのみならず、DX、IoT、メタバースなど、デジタル技術を前提とするこれからの「ものづくり」とデザインにおける新たな指針を提供するものです。
メタメディアであるコンピュータを用いてデジタルなものづくりをする真の意味と可能性を紐解きつつ、この限りある自然資源を保ちながら限りない人間の欲望を処理し、豊かな社会を実現するためには、「DX(デジタルトランスメーション)」だけでなく「PX=フィジカルトランスフォーメーション」が必要であることを提示します。そして、物質中心の従来の産業構造からの脱却と、デジタル技術を活用した新たな価値創造を探る産業概念「超軽工業」を提唱します。
何を物質(フィジカル)で作り、何をソフト(デジタル)で作るのか、反転する世界の再設計に向けた本質的な発想転換へと読者を導く一冊です。
ISBN:978-4-8025-1204-6
定価:本体2,500円+税
仕様:A5判/264ページ
発売日:2025年1月23日
著者:渡邊恵太
デザイン:岡本健、飯塚大和(岡本健デザイン事務所)
Profile
Contents
序章 デジタルであるということはどういうことか
パソコンの登場とデジタルの受容
「デザイナー」の台頭
なぜデジタルは最強の人工物、方法なのか
デジタルとフィジカルのトランスフォーメーション
第1章 最強の人工物、スマホはどうよくできているのか
1-1 スマホはどうよくできているのか
1-2 パソコンは複雑すぎて使えない?
1-3 iPhoneはどうよくできているのか
第2章 メタメディア時代のデザイン
2-1 汎用性と専用性
2-2 デザイン思考とソフトウェア
2-3 ソフトウェアに求められる、より低次元の「実在のデザイン」
第3章 メタメディア性をあらゆるハードウェアへ 〜UIを外在化するexUI
3-1 exUI
3-2 metaBox
3-3 ハードは汎用性を設計し、ソフトは専用性を設計するexUI
第4章 メタメディアと多様性のためのエコシステム
4-1 メタメディアを支えるプラットフォーマー
4-2 PDU構造
4-3 プラットフォーマーの役割
4-4 デベロッパーの重要性
4-5 エバンジェリスト、DeVRel、カスタマーサクセス
4-6 日本にほとんどない開発者会議
4-7 ハッカソンがうまくいかない理由
4-8 P/D/Uそれぞれが何をすべきか
4-9 メタメディアを支えるPDU
第5章 未来のインタフェース、インタラクション
5-1 意味を与えるメタファ
5-2 身体性の回帰とインタラクションとその先
5-3 身体性を超えて―新しいメタファ、新しいインタラクションの模索
5-4 レゴブロックは創造的なのか想像的なのか
5-5 想像世界、物理世界、デジタル世界
5-6 想像、フィジカル、デジタル
5-7 メタファとしての想像世界
5-8 BCIと頭の中の身体性の可能性
5-9 軽さへ
第6章 超軽工業へ 〜ウルトラライトインダストリー
6-1 「つくる」ことの変容
6-2 軽工業・重工業・超軽工業
6-3 超軽工業とは何か―物理原理から知覚原理へ
6-4 超軽工業の考え方1―サーフェイスの原理
6-5 超軽工業の考え方2―インタラクションの原理
6-6 超軽工業の考え方3―メタファの原理
6-7 軽さと体験
6-8 超軽工業のこれから
終章 我々がデジタル技術に希望と必要性を見出すのはなぜか
DXPXする世界
変わる物質のデザイン
思想とデザイン
DXPXと教育・職業・生活