エツィオ・マンズィーニ
30年以上にわたり、持続可能性のためのデザイン領域で研究・実践を続ける。近年は、公正でエコロジカルな移行に向けたソーシャルイノベーションに注力している。こうした問題意識のもと、15年前にDESIS ネットワークを設立。DESISは、デザインスクールによる国際ネットワークとして、持続可能性のためのソーシャルイノベーションに関わるデザイン活動を展開している。
2024年にはデザイン研究に関する国際学会Design Research Societyより生涯業績賞を受賞。現在、DESISネットワークのプレジデントであり、ミラノ工科大学の名誉教授を務める。これまで世界各地のデザインスクールで客員教授としても活動してきた。
本書のほか、主な近著に『日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化』、『ここちよい近さがまちを変える―ケアとデジタルによる近接のデザイン』、ミケーレ・ダレーナとの共著『Fare Assieme, Una nuova generazione di servizi pubblici collaborativi』がある。
誰もがデザインする時代のデザイン
日々の営みからソーシャルイノベーションを生み出すための思想と実践
Description
デザインは“民主化”できるのか?
現代社会は大きな変革の只中にあり、望むか望まないかにかかわらず個人や組織は自らのあり方を絶えずデザインし直すことを迫られています。本書は、ソーシャルイノベーションの世界的権威エツィオ・マンズィーニが、誰もがデザイン能力を発揮する「誰もがデザインする時代」の新たな思想と実践を提示した一冊です。
マンズィーニは、人々が日々の営みの中で発揮する「遍在的デザイン」能力と、それを専門的知見で支援する「専門的デザイン」の協働を重視します。専門家はもはや唯一の担い手ではなく、人々の対話や協働を促し、変革を可能にする「イネーブラー(実現支援者)」への役割の転換が求められています。
豊富な事例を通じ、単なる問題解決を超え、生活に新たな価値をもたらす「意味形成」のデザインを追求します。小さく(Small)、ローカルで(Local)、オープンで(Open)、つながりあっている(Connected)「SLOCシナリオ」を掲げ、持続可能な未来を草の根から築くための知見を網羅した、21世紀の必読書です。
ISBN:978-4-8025-1240-4
定価:本体3,800円+税
仕様:四六判/484ページ/ハードカバー
発売日:2026年3月18日
著者:エツィオ・マンズィーニ
監修:八重樫文、中山郁英
翻訳:石塚理華、岡本晋、中山郁英、森一貴
デザイン:岡部正裕(HFUdf)
Profile
Contents
日本語版序文──エツィオ・マンズィーニ
監訳者序文──八重樫 文
謝辞
序章
第1部 ソーシャルイノベーションとデザイン
第1章 イノベーション、新たな文明社会の創造に向けて
ソーシャルイノベーション
分散型かつレジリエントなシステム
複数の持続可能な質
新たな文明社会の兆し?
第2章 つながりあった世界におけるデザイン
慣習とデザイン
遍在的デザインと専門的デザイン
デザインモードマップ
新たに台頭するデザイン文化
デザインにおけるソーシャルイノベーション
デザインの新たな捉え方
第3章 ソーシャルイノーベーションのためのデザイン
ソーシャルイノベーションのためのデザインとは何か
それが「何でないか」
どのように機能するのか
新しいデザイン知識
第2部 協働する人々
第4章 協働型組織
新しい関わり合いの形態
選択による協働
実現を支えるエコシステム
第5章 協働的接触
協働的接触の次元
協働的接触のマッピング
協働的接触の実践
第3部 物事を動かす
第6章 可視化し、形にする
マッピングと増幅
ストーリーの創造
シナリオ構築
社会的対話のためのビジュアルツール(12の可視化事例)
第7章 可能性を高め、実現しやすくする
支援型的な環境
ネットワーク型ガバナンス
実験のための場所
第8章 効果的で、意味あるものにする
問題解決
意味形成
信頼構築
第9章 複製し、接続する
Small, local, open, connected(小さく、ローカルで、オープンで、つながりあっている)
スケールアウトとしての複製
スケールアップとしての接続
第10章 ローカルでオープンにする
プレイスメイキング
場所とレジリエンス
プロジェクトによる計画
コスモポリタン・ローカリズム
終章 新しい文化のためのデザイン(結論に代えて)
注釈
訳者あとがき──岡本 晋、石塚理華、森 一貴、中山郁英
索引