ベネディクト・グロース(Prof.)は、デザイン・フューチャリングとコンピュテーショナルデザインに強い関心をもつ脱専門的なデザイナーだ。ベネディクトを魅了するのは人、データ、テクノロジー、環境の相互作用。彼にとってデザインとは、この緊張の場について思索し、近い未来に起こりうる影響を視覚化するための媒体である。シュヴェービッシュ・グミュント造形大学で情報とメディアデザインを、ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツでダン&レイビーのもとデザイン・インタラクションを学び、MITセンサブル・シティ・ラボで研究を行った。
その後数年間、産業界やクリエイティブ・セクターにフリーランサー、リサーチ・アソシエイト、デザイン・ディレクターとして関わった。その作品は国際的に成功を収め、広く出版や展示が行われている。
また、ベネディクトは国際的に評価の高い書籍『Generative Design ─Processingで切り拓く、デザインの新たな地平』の共著者であり、CMU Studio for CreativeInquiryの卒業生でもある。2017年からはシュヴェービッシュ・グミュント造形大学でインタラクションデザインとストラテジックデザインの教授を務め、ストラテジックデザインの修士課程を率いている。ドイツのラーベンスブルクとオーストリアのフォアアールベルクで家族と暮らしている。
アイリーン・マンディア(Prof. Dr.)は、エンジニア30%、デザイナー50%、チェンジエージェント20%と、型破りなかたちで複数の分野の組み合わさった専門性をもっている。異色の経歴のおかげで、彼女は視点を変えること、─つまり専門間の仲介─を専門とする数少ない学者の一人となった。アイリーンはシュトゥットガルト大学でテクニカル・サイバネティックスを学んだ後、交通管理の博士号を取得した。その後、研究者、経営者、戦略コンサルタントとして、アカデミックとビジネスとのさまざまな役割や立場で、モビリティの未来に10年を捧げた。
2016年、アイリーンは既存のシステムを外から新しい目で眺め、理解して変えていくために、当時就いていたチーフエグゼクティブの職を辞する決断をした。現在は、社内や組織の変革プロセス、公的なプレーヤーや未来との対話をサポートしている。2022年からは、ミュンヘン応用科学大学デザイン学部で、社会変革と変革プロセスの文脈におけるシステミックデザインの教授を務めている。パートナーと共に、ドイツのシュトゥットガルトとフランスのコート・ダルモールに暮らす。