デザイン・フューチャリング	 未来を探り、変化に導く思考ツール
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デザイン・フューチャリング
未来を探り、変化に導く思考ツール

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¥4,950 (税込み)

Description

議論を活性化し、合意形成し、現実を変えるための戦略構築ガイドブック

私たち人間は、目の前の未来だけでなく、遠い未来も予測できます。今このときを生きていると同時に、未来へもさまざまな思考を向けています。想定して計画を立てる。思い描いた未来をもとに行動する。未来のシナリオを描いて伝えることで、想像力のギャップを埋め、仲間たる人々の未来を形成し、未来の事象に間接的に影響を与えることができるようになります。

本書が照らし出す「デザイン・フューチャリング」とは、デザインのツールを用いてさまざまな(望ましい)未来を想像して交渉できるようにすることを使命の中心に据える、デザイナーの新しい活動分野です。ビジネス、政治、社会の意思決定者に行動を起こさせるために、具体的で目に見える未来シナリオをデザインすることに強い焦点が当てられています。デザイナーがスペキュレーション/クリティーク/イノベーションというデザイン意図をより意識的に形成すればするほど、デザイン・フューチャリングの効果はより遠くに及ぶのです。

本書では、未来シナリオを描き出せる強力なツールを紹介しています。さまざまな創造的メソッドが、普通の人々の日常生活を描く「よりよい」未来シナリオのための想像力を広げていきます。カラーイラストや図版をふんだんに用いて、おすすめの27のツールと15の実例をわかりやすく提示し、戦略的に未来を形づくるデザイナーとしての新たな貢献領域を拓く一冊です。

◉デザイン・フューチャリング公式サイト
design-futuring.com

ISBN:978-4-8025-1305-0
定価:本体4,500円+税
仕様:B5判変型/256ページ
発売日:2024年9月19日
著者:ベネディクト・グロース、アイリーン・マンディア
翻訳:百合田香織
デザイン:西垂水 敦(krran)

Profile

ベネディクト・グロース(Prof.)は、デザイン・フューチャリングとコンピュテーショナルデザインに強い関心をもつ脱専門的なデザイナーだ。ベネディクトを魅了するのは人、データ、テクノロジー、環境の相互作用。彼にとってデザインとは、この緊張の場について思索し、近い未来に起こりうる影響を視覚化するための媒体である。シュヴェービッシュ・グミュント造形大学で情報とメディアデザインを、ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツでダン&レイビーのもとデザイン・インタラクションを学び、MITセンサブル・シティ・ラボで研究を行った。
 その後数年間、産業界やクリエイティブ・セクターにフリーランサー、リサーチ・アソシエイト、デザイン・ディレクターとして関わった。その作品は国際的に成功を収め、広く出版や展示が行われている。
 また、ベネディクトは国際的に評価の高い書籍『Generative Design ─Processingで切り拓く、デザインの新たな地平』の共著者であり、CMU Studio for CreativeInquiryの卒業生でもある。2017年からはシュヴェービッシュ・グミュント造形大学でインタラクションデザインとストラテジックデザインの教授を務め、ストラテジックデザインの修士課程を率いている。ドイツのラーベンスブルクとオーストリアのフォアアールベルクで家族と暮らしている。

アイリーン・マンディア(Prof. Dr.)は、エンジニア30%、デザイナー50%、チェンジエージェント20%と、型破りなかたちで複数の分野の組み合わさった専門性をもっている。異色の経歴のおかげで、彼女は視点を変えること、─つまり専門間の仲介─を専門とする数少ない学者の一人となった。アイリーンはシュトゥットガルト大学でテクニカル・サイバネティックスを学んだ後、交通管理の博士号を取得した。その後、研究者、経営者、戦略コンサルタントとして、アカデミックとビジネスとのさまざまな役割や立場で、モビリティの未来に10年を捧げた。
 2016年、アイリーンは既存のシステムを外から新しい目で眺め、理解して変えていくために、当時就いていたチーフエグゼクティブの職を辞する決断をした。現在は、社内や組織の変革プロセス、公的なプレーヤーや未来との対話をサポートしている。2022年からは、ミュンヘン応用科学大学デザイン学部で、社会変革と変革プロセスの文脈におけるシステミックデザインの教授を務めている。パートナーと共に、ドイツのシュトゥットガルトとフランスのコート・ダルモールに暮らす。

Contents

導入
‐はじめに 日本語版序文 水野大二郎
‐本書の構成 ツールセット、プロジェクト、ワークショップ、ウェブサイト、本書の読み方
‐デザイン・フューチャリング入門 プロセス、概要、免責事項:本書を読む上でのご注意

基礎
‐未来イメージ 頭の中で構成された未来
‐ポラック・ゲーム ワークショップのウォーミングアップとしての未来イメージ入門
‐デザイン意図 デザイン・フューチャリング・プロセスの3つの観点

探索:深める
‐フューチャーズ・ホイール 直接的・間接的な結果を通して考える
‐CLA(因果的層状分析) 4つのレベルでの根本原因分析
‐四象限モデル 内面 vs. 外面、個人 vs. 集団

想像:未来シナリオを描く
‐    フューチャーズ・コーン ほぼ確実に起こる未来、いかにも起こりそうな未来、起きてもおかしくはない未来、望ましい未来
‐未来の4つの元型 成長、衰退、不変、変容
‐2×2シナリオ 重要な不確実性を見つける
‐起こらなかった歴史 オルタナティブな「現在」をつくるシナリオの構築

想像:ナラティブにまとめる
‐ダイジェティック・プロトタイプ アーティファクトで語る
‐フューチャー・マンデイン 未来における日常生活
‐ワールド・ヒンティング ナラティブのディテールの深さ
‐体験的未来ラダー 設定、シナリオ、シチュエーション、人々、アーティファクト
‐ストーリーテリングと演出の集中講座

戦略:合意形成する
‐調整と対話の集中講座
‐ツビッキーのフライトレベルズ 適切な飛行高度を見つける
‐トランセンド法 歩み寄りを形成する
‐仮想将来世代 未来の利害関係者との交渉

戦略:変化させる
‐バックキャスティング ゴールからさかのぼって考える
‐スリーホライズン法 廃止モデル、移行的ソリューション、ニューノーマル
‐Inspect & Adapt(検査と適応) 複雑な変化プロセスのための戦略開発
‐自己変容的予言 デザイン・フューチャリングで流れを変える

プロジェクト
‐スヴァールバル世界種子貯蔵庫 永久冷凍庫での種子保管
‐Raising Robotic Natives ロボットとともに育つ世代のためのアーティファクト
‐99¢ Futures 1ユーロショップで未来に触れる
‐The Future Energy Lab アラブ首長国連邦における政策決定者のための再生エネルギーラボ新設
‐Futures Bazaar 今日あるもので明日の断片を共に生み出す
‐プチ・プリ 一緒に成長する子ども服
‐Green Skin 走る緑地としての自動車とそれが都市の気候と景観に与える影響
‐Avena+ Test Bed デジタル「印刷プロセス」としての農業と文化的景観の新しい形
‐Atlas of Queer Anatomy 新しいインクルーシブな解剖学レッスン
‐Commoditised Warfare 壮大なメガイベントが軍事衝突に取って代わる、戦争のない世界の未来イメージ
‐Transfigurations 最適化を極めたデザイナーズ・ベビー
‐How to Build a Water Filter 未来のDIYチュートリアル
‐HÖGA イケアの棚に並ぶ架空の自動車組み立てキット
‐The Museum of Endangered Foods 蜂蜜、コーヒー、バナナのない世界
‐The Sinking House 英国政府に向け、気候危機の警鐘を鳴らす

ワークショップ
‐ワークショップの考え方 プロセスプランニング、フレームワーク作成、メソッドの選択
‐ファストトラック・ワークショップ 探査し、未来イメージをデザインし、議論する
‐デザイン・フューチャリング・スプリント 未来イメージを議論し、ゴールに合意し、戦略を導き出す
‐デザイン・フューチャリング・ティーザー 人々をデザイン・フューチャリングでわくわくさせる

付録
‐デザイン・フューチャリングのFAQ
‐参考文献
‐謝辞
‐著者について
‐クレジット

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