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Supergraphics 空間の変容:壁面、建築、空間のためのグラフィックデザイン
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Supergraphics
空間の変容:壁面、建築、空間のためのグラフィックデザイン

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¥4,180 (税込み)
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Description

建築とグラフィックデザインを架け橋するムーヴメント「スーパーグラフィック」の優れた事例を、歴史的・体系的にまとめた世界初の書。1960年代のオリジネーターたちによるメガスケールのグラフィックから、現代のデジタルテクノロジーを利用したプロジェクション・マッピング等の作品まで、300点以上の写真を掲載しています。クリティカルな論考およびインタビューも収録。

訳者あとがきより(冒頭の一部)

これは、スーパーグラフィックについての本である。この本は、60 年代における起源からスーパーグラフィックの初期の歴史をチャート化し、その軌跡を今日に至るまで追っている。また、スーパーグラフィックの伝統の真の継承者とおぼしきラインも、未来へ向けてさしあたり素描している。だが、単にこれは、スーパーグラフィックの歴史についての本ではないだろう。また勿論、だからといって一介の図版集にも留まっていない。むしろ、この本の持つ微妙にスーパーな魅力は、何よりスーパーグラフィックという問題の地平を、いまこの時点で(改めて)歴史的に開いているスーパーな面にあるはずだ。そして、とはいえその地平が、過去や未来への見通しを一点透視図法的に眼前に整然と繰り拡げてくれるのではなく、かえって様々な地平と交差しながら流動化し、ポスト歴史的でリアルなバーチュアリティの逸楽へと微妙にインタラクトさせる点にもあると言えよう。

この本では、地平もしくはパースペクティヴが、まずは問題提起的に起動している。この本の編者たちは、デジタルな情報技術環境においてコンピュータがグラフィックデザインと建築の境界域を溶融させていった状況を、現在の地平として明らかに意識化している。いまや、建築とグラフィックの境界は液状化して繋がり、いずれもがデジタルなデザインとなった。その結果、とりわけ建築においては、建築というジャンルのあり方を自己批評的に問いつつ、それこそを制作の推力にしてきた(60 年代以降の)操作が、恐るべき機能不全に向かってメルトダウンしている。こうした状況を、2009 年に磯崎新は「建築不全症候群」と呼び、その著書を「ビルディングの終わり、アーキテクチュアの始まり」と題した。「この10 年程、芸術や建築についてはもはや誰も語らなくなった。それでも語る必要ができてくると、芸術をアート、建築をアーキテクチュアとカタカナに読み替えて語るようになった」。
いわゆるゼロ年代にデジタル・デザインが進展してゆくなかで、建築や芸術に代わってアーキテクチュアとアートの時代が到来する。そして、芸術と批評はあえなく後退し衰弱化してゆく。実際、自己のシステムに独自の境界やプログラムが不明になったいま、それを批評=批判的に問い直す活動はもはや土台や足場を持たない。それゆえ、システムの臨界的な(再)建築=構築を目指す建築と批評は、否応もなく成し崩しになってゆかざるをえない。言い換えるなら、建築はグラフィックデザインや他のジャンルともども、デジタルなイメージのデザインと化した。そして、デザインされたイメージのディスプレイ装置こそがアーキテクチュアの主要な見せ場となり、またアーキテクチュアは(建物を建てる場合にせよ)データやイメージやそのディスプレイ装置のデザインワークが実務となってゆく。
ハル・フォスターは、2002 年に上梓した『デザインと犯罪』において、それを芸術と批評の凋落、そしてアーキテクチュアとデザインの突出として、すでに問題化していた。現在は、すべてのジャンルが境界なくデザインされ、あらゆるものがデザインの対象となる新たな「トータル・デザイン」の時代であるだろう。そして、本書の編者たちもまた、以上のような時代認識を、たぶん微妙に異なるだろうにしても、確かに抱いているように見える。彼らはスーパーグラフィックというテーマとともに、このアーキテクチュアとデザインの時代を問い直そうとしているのだ。
彼らは、そうした問題意識のもと、ひとつの地平もしくはパースペクティヴを立ち上げた。その中で、アーキテクチュアへと連なる建築の歴史的流れ、トータルな環境デザインへと変質する旧グラフィックデザインの史的系譜、そしてひとつのアートワークのジャンルへと溶融してゆく以前は分化されていた建築とグラフィックの来歴を見極めようとしている。はたして、建築がグラフィックデザインを受け容れたり、建築がイメージ化したりするようになったのは、いつからのことか? また、グラフィックデザインやイメージが、建築や空間や環境そのものを形成するアーキテクチュア的アートワークとして先鋭化してくるのは、どのような状況のもとでだったか? 単に建築に関わる巨大サイズのグラフィックの図版集に終わる気がない本書は、現代の問題意識から歴史的パースペクティヴを開こうとしている。そして、その遠近法の消失点手前に60 年代のスーパーグラフィックが存在感豊かに見えて来たのだろう。あるいは、ほとんど同じことだが、60 年代のスーパーグラフィックへの目下の関心が起点となって、過去から現代へと至る歴史的見通しをつける視界の必要性がいま開かれてきたのだ。スーパーグラフィックについての本格的な「歴史書」は、この本がほぼ最初だと言えよう。図版の収集、関係者へのインタビュー(バリー・ブリスコーは昨年8 月に亡くなっている)、充実した評論等、建築とグラフィック、あるいはアーキテクチュアとデザインを触発する実に見事な力作である。

ISBN:978-4-86100-708-8
定価:本体3,800円+税
仕様:A4判変型/336ページ
発売日:2011年08月11日
著者:Tony Brook、Adrian Shaughnessy
翻訳:瀧本雅志

Contents

日本語版への序文

01
はじまり
1960年代とその後のスーパーグラフィック
Supergraphics: the origins
Supergraphics in the 1960s and onwards

02
現場と現在
スーパーグラフィックの現代における様々な発現形態
Supergraphics: here and now
Contemporary manifestations of Supergraphics

03
これから
スーパーピクセルの時代のスーパーグラフィック
The Future
Supergraphics in the age of Superpixels

04
エッセイ―エイドリアン・ショーネシー
超世界(スーパーワールド)における超(スーパー)グラフィック
Supergraphics in a superworld
Adrian Shaughnessy

05
エッセイ―マーク・シンクレア
超(スーパー)ピクセル
Superpixels
Mark Sinclair

06
インタビュー:
バーバラ・スタウファカー・ソロモン
Barbara Stauffacher Solomon

07
インタビュー:
バリー・ブリスコー
Barrie Briscoe

08
インタビュー:
ジャン=フィリップ・ランクロ
Jean-Philippe Lenclos

09
インタビュー:
デボラ・サスマン
Deborah Sussman

10
インタビュー:
ポーラ・シェア
Paula Scher

11
インタビュー:
モーラグ・マイアーズコフ
Morag Myerscough

12
インタビュー:
エヴァ・ルッキ/トロイカ
Eva Rucki/Troika

訳者あとがき

文献案内

索引

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